次世代型路面電車システム(LRT)の導入を求める請願通る!

去る平成23年12月6日、松代、若穂、篠ノ井、更北、川中島の5地区の住民自治協議会長の連名で長野電鉄屋代線廃止後の跡地を活用した次世代型路面電車(LRT)の導入を求める請願(下記に全文紹介)を長野市議会に提出致しました。その後、平成23年12月16日の長野市議会12月定例会にて全会一致の賛成で採択となりました。
松代地区住民自治協議会では、屋代線の鉄路を存続させる取り組みとして、ディーゼル車両による運行を検討してまいりましたが、関係機関との協議を進める中、昨年11月以後、欧米で環境や老人・子供たちに優しい交通手段として注目を浴びている次世代型路面電車(LRT:ライトレールトランジット)の導入が議論となりました。現在、当たり前のように自動車が往来する道路に路面電車を運行し、自動車から新交通システムに乗り換えることにより、渋滞や事故がなくなる、CO2の削減や石油資源の節約になる、など大きなメリットがあります。地球温暖化が叫ばれ、その大きな要因の一つであるマイカーによる排気ガスの規制が求められている現在、改めて鉄道の重要性が高まっております。
幸い長野市はオリンピックを開催した唯一の地方都市であり、現在、道路などの整備は他の都市よりもはるかにすすんでいます。こうした条件を活かすためにも屋代線の鉄路を活かしながら、長野駅と松代を結ぶ路面電車で未来交通網の構想を考えるべき機会です。現在、長野市や議会関係者、更に経済団体、他地区の住民自治協議会などに理解の輪が広がっております。地域の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い致します。

  次世代型電車システム(LRT)導入と長野市の新たな交通体系についての請願

            ( 請 願 趣 旨 )

 ライトレールトランジット(LRT)とは、快適で省エネ性に優れた、新しい路面電車交通であります。

 従来から欧米では多くの路面電車が発達していましたが、近年、環境にも配慮した新しい交通システムとしての路面電車が、ニュートラムとして急速に発達してきています。

 日本では、昭和40年代、高速道路の建設や大衆車の出現で多くの人が車を持つ時代になり、路面電車は邪魔者になり、次々と廃線となりました。

 しかしながら、道路の慢性的な渋滞、騒音、事故多発、大気汚染、駐車場などの問題から、近年の地球温暖化も相まって世界の流れは変わり、公共交通機関としてハイテク化された新しい路面電車交通(LRT)をまちづくりと合わせて導入する動きが国内の多くの地方都市で始まっています。

 長野市の交通網の実態は、市中心部に入る幹線道路は朝夕渋滞がひどく、社会全体に多くの悪影響を与えています。そして、オリンピック開催都市長野には多くの大型施設が存在し、さらに南運動公園総合球技場の改修が検討されるにつけても、LRT等による公共交通網が是非必要と考えます。

 そこで、長野駅を起点に市内各地の要所を結ぶ新たな交通ルートが必要であり、市民も車から電車に転換することは、市内アクセスの充実とともに、2014年度長野以北への新幹線延伸を迎えるにも善光寺と松代をつなぐことにより、新しい観光客の掘り起こしになると期待されます。

 ルート上には、ホクト文化ホール、ビッグハット、長野赤十字病院、更北住宅急増地区、川中島古戦場、南長野運動公園、観光地松代、若穂など、多くの観光客が集まる施設のインフラにも大変効果的と考えます。さらに長野駅からエムウェーブを経て屋島から若穂を結ぶルートの構築により市内循環が可能になり、将来に向け大きく発展することが可能となります。そして、長野市のシンボルである善光寺と長野駅を結ぶことも大変重要です。

 廃止となる屋代線の跡地の鉄路は、そのまま活用でき、その上、広大な駅構内の用地は今後LRTの車両基地や点検・修理施設として重要なスペースとして活用でき、市内に新たな土地を確保する必要がありません。

 つきましては、長野市に対して下記請願事項の実現を求めます。

 貴議会において以下の取組を御採択いただきますよう請願いたします。

            ( 請 願 事 項 )

 住民の意向を尊重し、国土交通省・次世代型電車システム(LRT)による長野市全域に広がる新たな交通網の構築に当たり、屋代線跡地及び鉄路の活用を検討すること。